熱風9月号
前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。 ―
- 作者: 税所篤快
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2011/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ひとり暮らしな日々
たかぎさんの本。
新しい土地でのひとりぐらしの難しさ、寂しさからはじまり、楽しさ、心地よさが混ざっている。
たかぎさんちのお父さん・お母さんはひとりぐらしの娘を実家で心配していて、たかぎさん自身もも一人前になりたいと思っている頃のお話。
樹木希林さんの追悼公演「万引き家族」を見た後だったので、たかぎさんちの普通の家族が身にしみた。
「万引き家族」は万引きしながら暮らしている。
さらに、家族それぞれがいろいろ抱えている。
最後の結末を見て、どうしたらいいのかよく分からなくて気持ちがぐちゃぐちゃしていたところ、たかぎさんちを読んだ。
いいなあ。普通の家族。
普通だと悩まなくていいかというと、そうでもないけれど、普通から踏み外すと、あんなに苦しくなってしまうのか。
一人でも、その向こうに自分を支える人を感じていたい。
台風についてわかっていることいないこと
9月の台風21号はひどかった。
風の音が半端ない。
ガラスが割れるかと思ったのは初めて。
生まれて初めて、台風に恐怖を感じた。
その翌週、図書館で「台風についてわかっていること いないこと」という本を見たとき、これは今読むべき本なんじゃないかと感じた。
正しくは今じゃなきゃ読まない本、かもしれない。
読んでみて、分かったこと。
台風の研究はまだ日が浅いこと。
以前は台風で1000人ほど死亡者があったこと。
台風の発生場所によって性格が違うこと。
温暖化が進むと台風の発生件数は減るが今回のような台風21号クラスの強力な台風は増えるらしいこと。
台風に関する文章だけれど、文体がなぜか明るくて読みやすい。
そして、途中途中にあるコラムが面白い。
台風を研究する研究者たちの研究の日々はイキイキとしている。
理科、数学の方程式といったわかったことを伝えるより、世の中のまだわからないことがたくさんあると伝えるほうが、勉強に輝きが生まれるのかもしれない。
賢人の手帳術
「賢人の手帳術」。
図書館の返却本があつまる返却台を見ていたら、手帳本があった。
糸井重里さんをはじめ、小室淑恵さん、景山さん、佐久間さんと、ほぼオリジナルの手帳をだしている方。
秋は新作手帳の季節。
毎年手帳を買うが、特に「この手帳のファン!」というわけではないので、毎年売り場をさまよいながら決めている。
この本を借りた誰かも新しい手帳を探しているのかもしれない。
ちょうど「手帳を変えようか」、と思っていたところだったので、借りて読んでみた。
糸井さんは、手帳を語る言葉に余裕があって、なんだかかっこいい。
自由を感じる。
小室さんは「1年のはじめのホリデイリスト」がいい。年始に真剣に遊ぶ計画を立てるって新鮮。
本の中で、唯一自分の手帳をだしていない八代弁護士は、クオバディスを愛用。綺麗な手帳に几帳面に記入してあって仕上がっている。
佐久間さんはジブン手帳発起人。手帳に人生の記録を刻むことにこだわりがあるようだけど、キブンも記録できるなんて知らなかった。
この本の発行は2012年。
手帳が盛り上がってきた頃。
この本にとりあげられた方は、今はどんな風に手帳と向き合っているんだろう。
ワークライフバランス手帳は販売が取りやめられたということで、デジタルにむかっていったのかもしれない。ワークライフバランスは一人では達成できない。誰かと予定を共有するにはデジタルが便利だろう。
自分のために徹底的に使い込むのが「手帳」なのかもしれない。
アドラー「嫌われる勇気」と「学力」の経済学
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えを読んだ。
心理学本で、最後まで読めたのは初めてなのかもしれない。
聞き書きスタイルがよかったのかもしれないが、アドラー心理学の主張も面白く、フロイトよりも私とあっているようで、これからもアドラー本を読んでいきたいという気になった。
興味深いのは子育てで直面する問題に対するアドラーの回答。
ちょっと前に流行った「学力」の経済学も同時期に読んでいて、重なる部分がいくつかあった。
たとえば、子どもに「勉強しなさい!」という場合。
たとえば目の前に「勉強する」という課題があったとき、アドラー心理学では「これは誰の課題なのか?」という観点から考えを進めていきます。
「嫌われる勇気」P140
勉強しなさい、はエネルギーの無駄遣い
「「学力」の経済学」P58
子ども自身に勉強が必要である理由を伝えたり、力になるよ、という見守りを行うことは必要そうですね。勉強以外でも、高い山を登ろうと思ったら、誰かの支えはあったほうがいいし、あってほしい。
そして、アドラーで一番好きなのはこれ。
自分を変えることは自分しかできない。
こぐまのケーキ屋さんから思いやりを思い出す
子供が「春休みのワークを買うんだ!」といって夫と本屋にでかけたのに、まったく違う本を買ってきた。
近所の女の子が持っていたから買ったという。
こぐまの画像を何度か読んだことはあったけど、ホンワカ4コマ漫画といった風で、どうしてそんなに流行っているのか分からなかった。けれど、いよいよ小学生にまで人気が広がっているのか。
思わず、「お母さんこれ、Twitterで見たことあるよ。」といったら、「へぇ、ついったーなんだー。お母さんはついったーやってるからねぇ。ムー子もいるし、ついったーには、いっぱいいるねぇ。」と感心している。Twitterは漫画の登場人物がいる場所なんだと思っているらしい。
本を手に入れて嬉しいのか、リビングでずっと持ち歩いている。「〇〇子がもっていた本はねぇ、しおりつきだったんだよ。」とか「今度おばあちゃんちにこの本持って行っていい?」とか、かなりの気に入りようだ。
私も子供が手放したうちに読んでみた。
おいしいお菓子で喜ばせたいこぐまと、こぐまをそっと支える店員さん。
こぐまも店員さんも、なんてやさしいんだろう。
お互いのことを思いやっている。
でも、今の私はやさぐれているので、読んでいて重くなる。
母親として理想的な優しさをもっている店員さん。
店員さんがこぐまの気持ちを想像しながら丁寧に接する優しさがわたしにもあれば、我が家の3姉妹はこんなに喧嘩まみれにならなかったんだろうか。仕事もうまくいかないし、いろいろうまくいかないし。
でも、「店員さんのようになりたいなぁ。」という気持ちが少しばかし湧いたあたり、自分の心の中に優しさの種は残っているのかな。
何本も4コマを読み、いっぱいのやさしさにふれた。
Twitterよりずっといい。本はいい。本っていいな。
そして、絵本は一冊にストーリーひとつで終わりだけど、4コマ漫画絵本だと何本もストーリーがあってお得だよね、なんて思いついたしまったあたりは、やっぱり私は相当やさぐれているのかもしれない、と少しだけ落ち込んだ。
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夏休み後半開始ですね!
我が家は子どもが町内会のラジオ体操に行くっていうから朝起こしたのに、「もう、いかないっていってるでしょ!」と怒られ、結局いかずじまい。
新学期から大丈夫かなぁ??